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【実録調査】旅館はなぜ当日でも2食付きプランを販売できる?60施設の手じまいと運営実態

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旅館の2食付きプランは、食材の仕入れや仕込み、調理・配膳スタッフ、食事会場の準備が必要なため
客室に空きがあっても当日まで販売できるとは限りません。
施設ごとに予約受付期限となる「手じまい」を設定し、現場の運営体制に合わせて販売しています。

では、実際の宿泊施設は何日前、何時まで2食付きプランを受け付けているのでしょうか。
ここでいう「手じまい」とは、宿泊プランの予約受付を終了する期限のことです。
例えば「宿泊当日の15時まで」「宿泊日の3日前まで」など、プランごとに受付日や受付時間を設定します。
今回、宿力では、1泊2食付きプランを主力商品として販売する旅館を対象に
2食付きプランの手じまいを調査しました。

その結果、宿泊当日まで販売している施設が最も多く、
最長では当日18時まで予約を受け付けている施設も確認できました。

「なぜ、そこまで遅い時間まで販売できるのか。」

実際に施設へヒアリングを行うと、その背景には、食材の仕入れやスタッフ配置だけではない
施設ごとの現場オペレーションがありました。

本記事では、「何時まで販売しているのか」という調査結果だけでなく
「なぜ、その時間まで販売できるのか」という運営の考え方や工夫について
実際の事例を交えながら紹介します。

主調査は、旅館を中心とした60施設の「2食付きプランの手じまい調査」です。
あわせて、記事の後半では、全国139施設を対象に実施した
「チェックイン・チェックアウト時間調査」も関連調査として掲載します。

目次

旅館60施設の2食付きプラン手じまい調査|約半数が当日予約に対応

旅館にとって、1泊2食付きプランは売上を支える主力商品の一つです。
しかし、客室に空きがあっても、夕食を提供するための食材やスタッフ
食事会場などの準備が整っていなければ販売することはできません。
そのため、各施設では運営体制に合わせて
2食付きプランの予約受付期限(手じまい)を設定しています。

では、実際の旅館では、いつまで2食付きプランを販売しているのでしょうか。
今回は、1泊2食付きプランを主力商品として販売している旅館を中心に60施設を対象とし
各施設で最も遅く予約を受け付けている2食付きプランの手じまいを調査しました。

【手じまい調査・結果①】約半数の旅館が2食付きプランを宿泊当日まで販売

調査結果は以下のとおりです。

手じまい施設数割合
当日(0日前)28施設46.7%
前日(1日前)18施設30.0%
2~3日前8施設13.3%
4日前以上3施設5.0%
2食付きプランなし3施設5.0%

調査の結果、最も多かったのは宿泊当日まで2食付きプランを販売している施設でした。
60施設中28施設と、約半数の施設が当日予約に対応しています。

旅館の2食付きプランは、「料理の準備があるため数日前には締め切る」というイメージを持たれがちですが
今回の調査では、そのイメージとは異なる結果となりました。

【手じまい調査・結果②】当日予約の受付時間は12時から18時まで施設差がある

さらに詳しく調査すると、「当日まで販売している」といっても
その受付時間は施設によって大きく異なりました。

調査では、次のように施設ごとに異なる受付時間が確認できました。

  • 当日12時まで
  • 当日15時まで
  • 当日16時まで
  • 当日17時まで
  • 当日18時まで

つまり、「0日前」という同じ分類でも、実際の販売時間には大きな幅があります。

競合施設の販売状況を比較する際も、「当日予約ができるかどうか」だけではなく
宿泊当日の何時まで予約を受け付けているのかまで見ることで、より実態に近い比較ができます。

【手じまい調査・結果③】2食付きプランの受付期限は現場オペレーションで決まる

今回の調査で最も興味深かったのは、「何時まで販売しているのか」という結果そのものではありません。
宿力が知りたかったのは、「なぜ、その時間まで販売できるのか」という現場の仕組みです。

当日18時まで販売している施設がある一方で、7日前に受付を終了する施設もあります。
その違いは、単純な販売方針ではなく、食材の仕入れ方法やスタッフ配置、在庫管理、競合施設への対応など
それぞれの施設が、日々構築している現場オペレーションにありました。

次章では、実際に施設へヒアリングして見えてきた、
「当日16時まで販売できる現場オペレーション」を紹介します。

旅館が2食付きプランを当日まで販売できる現場オペレーション

前章では、約半数の施設が宿泊当日まで2食付きプランを販売しており
最長では当日18時まで予約を受け付けている施設があることを紹介しました。

では、実際に当日販売を行っている施設では、どのような運営体制を整えているのでしょうか。

今回、手じまいを当日に設定している施設へヒアリングを行ったところ
当日予約をその都度「特別対応」として受け入れているのではなく
それぞれの施設が立地や客層、規模に合わせたオペレーションを構築していることが分かりました。

【事例①】2食付きプランを当日16時まで販売する旅館の運営体制

この施設では、2食付きでの宿泊を前提としたオペレーションを、施設全体で構築しています。

国内・海外を問わず夕食付きの利用を基本としていますが、特に海外のお客様の場合
夕食なしのプランで予約した後、チェックイン時や宿泊当日に夕食を追加されるケースも少なくありません。

周辺の飲食店をお客様自身で探したり、予約したりすることが難しい場合もあるため
こうした当日の夕食追加も想定した受け入れ体制を整えています。

また、2食付きプランを当日16時まで販売するために、次のような運営を行っています。

  • 当日の予約や夕食追加に対応できるよう、食材を通常より多めに仕入れる
  • 食材が不足した場合は、市場や精肉店が営業していれば当日中に追加調達する
  • 当日予約や夕食追加にも対応できるよう、スタッフ配置や食事会場の運営をあらかじめ組み立てる
  • 食材や食事会場の確保が難しい場合は、対象プランを売り止めにする

この施設では、あらかじめ設定した当日16時という手じまい時間まで販売できるよう
日頃から運営体制を整えています。

2食付きプランを当日16時まで販売する旅館の現場オペレーション

この事例から分かること

この施設では、予約が入ってから対応方法を考えるのではなく
当日予約や夕食追加が発生することを前提に運営を設計しています。
つまり、手じまい時間を遅く設定しているのではなく
設定した当日16時まで安定して販売できるよう
仕入れ・人員・食事会場まで含めたオペレーションを構築していることが特徴です。

【3施設を比較】施設ごとに異なる「当日販売」の工夫

一方で、当日まで販売できる理由は、この施設だけではありません。
今回ヒアリングした他の施設でも、それぞれの立地や施設規模、運営体制を生かしながら
当日販売を実現していました。

旅館が2食付きプランを当日まで販売する3つの運営事例

ケース①:競合施設への対抗策として当日15時まで販売

周辺には当日予約を受け付けているバイキング旅館が複数あり
競合施設への対抗策として、2食付きプランを当日15時まで販売しています。
そのため、直前予約にも対応できるよう、一定量の食材を確保した運営を行っています。

ケース②:小規模旅館だからこそ実現できる当日17時まで販売

客室数が少ないため、必要な食材量を把握しやすく
毎日ある程度の食材をストックしています。
また、箱根という立地から当日予約の需要も見込めるため
直前予約も販売戦略の一つとして考えて対応しています。

ケース③:姉妹館との連携で当日16時まで販売

この施設では姉妹館も運営しており、両館で同じ食材や料理内容を使用しています。

姉妹館を合わせて約60室弱の規模となるため
食材を相互に融通しながら運営でき、急な予約にも柔軟に対応しています。

また、食材ロスも姉妹館間で調整できることから、
基本プランだけでなく、グレードアッププランについても当日16時まで販売しています。

この事例から分かること

今回ヒアリングした施設では、
「当日まで販売する」という結果は同じでも、その理由は施設によって大きく異なっていました。

競合施設への対抗策として取り組む施設、小規模旅館だからこそ柔軟に対応できる施設、
姉妹館との連携を生かす施設など、その方法はさまざまです。

共通しているのは、単に手じまい時間を遅く設定しているのではなく、
自施設の立地や規模、運営体制に合わせて、その時間まで販売できる仕組みを構築しているという点です。

当日まで販売するための工夫がある一方で、2食付きプランでは、食事そのものをどのような価格で販売するかも重要です。朝食・夕食料金の設定については、こちらの調査でも詳しく紹介しています。

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2食付きプランの手じまいを早く設定する旅館の理由

今回の調査では、約半数の施設が宿泊当日まで2食付きプランを販売していることがわかりました。
一方で、前日や2~3日前、さらに7日前を手じまいとしている施設も確認できました。

前章では、当日販売を実現するための現場オペレーションを紹介しましたが
手じまいが早い施設にも、それぞれの運営方針に基づいた理由があります。

ここでは、実際にヒアリングした内容をもとに、その背景を紹介します。

【手じまいが早い事例①】素泊まり・朝食付きプランを主力とする施設

ある施設では、宿泊予約の中心が素泊まりや1泊朝食付きプランとなっており、
2食付きプランは販売の中心ではありませんでした。

そのため、2食付きプランについては、食材やスタッフの手配ができる範囲で販売し
早めの手じまいを設定しています。

この事例から分かること

今回の調査では、2食付きプランの手じまいを比較しましたが
施設によって販売の主力商品は異なります。

そのため、2食付きプランを積極的に販売する施設もあれば、
素泊まりや1泊朝食付きプランを中心に販売する施設もあり
手じまい時間に違いが生まれる要因の一つとなっています。

【手じまいが早い事例②】料理とサービス品質を守るため7日前に販売を終了

別のハイクラス旅館では、食材やスタッフの手配を計画的に行うため
7日前という早いタイミングで手じまいを設定していました。

料理やサービスの品質を維持するためには、
必要な食材の確保やスタッフの配置を事前に決めておく必要があり
直前予約への対応は施設の運営方針に合わないとのことでした。

この事例から分かること

手じまいが早い理由は、「当日販売ができないから」ではありません。

施設のコンセプトや提供するサービスを維持するために
あえて早めの手じまいを選択しているケースもあります。

つまり、手じまい時間は販売機会だけで決めるものではなく
施設がどのような価値を提供したいかという運営方針も大きく関係しています。

【手じまいが早い事例・まとめ】手じまいに正解はなく、自施設に合った時間設定が重要

今回の調査では、当日18時まで販売している施設もあれば、7日前に受付を終了する施設もありました。

その背景をヒアリングすると、立地や客層、販売プランの構成、人員体制、料理へのこだわりなど、
それぞれ異なる事情があることが分かりました。

重要なのは、「できるだけ遅くまで販売すること」ではありません。
自施設がどのような宿泊プランを主力とし、どのようなサービスを提供したいのか。
その運営方針に合わせて手じまい時間を設定することが大切です。

当日手じまいと早期手じまいの比較を表す図

今回の調査は、他施設の手じまい時間を真似するためのものではなく
自施設の運営を見直す一つの参考として活用していただければと思います。

そのため、他施設の手じまい時間だけを参考にするのではなく
「なぜその時間まで販売できるのか」という背景まで含めて考えることが
自施設の販売戦略を見直すヒントになるでしょう。

【関連調査】全国139施設のチェックイン・チェックアウト時間

ここまで、2食付きプランの手じまいについて紹介してきました。

手じまいは、宿泊プランを何日前・何時まで販売するかを決める時間設定です。
一方、宿泊当日のお客様の受け入れに関わるチェックイン・チェックアウト時間にも
施設のオペレーションや販売方針が表れます。

そこで今回、手じまい調査とあわせて、全国139施設を対象に
通常のチェックイン開始時間とチェックアウト時間についても調査を行いました。

調査対象の内訳は、旅館60施設、ホテル67施設、その他の宿泊施設12施設です。

【関連調査】チェックイン時間は、宿泊プランの食事条件によっても異なる

調査結果を見る前に、宿泊施設におけるチェックイン時間の考え方を整理します。

同じ施設でも、2食付き・朝食付き・素泊まりでは、設定できる最終チェックイン時間が異なります。

2食付きプランでは、夕食の開始時間に間に合うよう、比較的早い最終チェックイン時間を設ける必要があります。
お客様の到着が遅くなると、料理の提供時間だけでなく
調理・配膳スタッフの勤務や食事会場の運営にも影響するためです。

朝食付きプランは夕食提供がないため、2食付きプランよりも遅い時間まで受け付けやすくなります。

素泊まりプランは食事提供がないため、フロントや夜間入館の対応が可能であれば
さらに遅いチェックイン時間を設定できます。

また、今回調査した「チェックイン時間」は、
主にお客様が客室を利用できるようになるチェックイン開始時間です。

【チェックイン時間・全体】全国139施設の約82%が15時開始

全国139施設のチェックイン開始時間を調査した結果は、次のとおりです。

チェックイン開始時間施設数割合
12時1施設約0.7%
14時14施設約10.1%
15時114施設約82.0%
16時10施設約7.2%
合計139施設100%

最も多かったのは15時で、139施設中114施設、約82.0%を占めました。

旅館だけでなくホテルでも15時開始が最も多く、業態を問わず
15時が標準的なチェックイン開始時間として定着していることが分かります。

【チェックイン時間・業態別】旅館の90%、ホテルの約75%が15時開始

旅館60施設の結果は次のとおりです。

チェックイン開始時間施設数割合
14時2施設約3.3%
15時54施設90.0%
16時4施設約6.7%
合計60施設100%

旅館では、60施設中54施設、90.0%が15時チェックインでした。

一方、ホテル67施設の結果は次のとおりです。

チェックイン開始時間施設数割合
14時11施設約16.4%
15時50施設約74.6%
16時6施設約9.0%
合計67施設100%

ホテルでも15時が最も多く、67施設中50施設、約74.6%を占めました。

旅館だけでなく、ホテルでも15時が主流となっていた点は、今回の調査で印象的だった結果の一つです。

一方、ホテルでは14時チェックインが約16.4%あり
旅館よりも早い時間から受け入れている施設が多い傾向も見られました。

この調査から分かること

旅館では、客室清掃や館内準備に加えて、
夕食提供に向けた準備も必要です。そのため、15時が受け入れ開始時間として定着していると考えられます。

ホテルは旅館と比べて14時開始の割合が高いものの
ホテルでも15時が圧倒的に多く、業態が異なっても標準時間は大きく変わらない結果となりました。

なお、16時チェックインを採用している施設については、
客室や館内の準備時間だけでなく、当日のスタッフ配置など、人員体制が影響している可能性もあります。

【チェックアウト時間・全体】全国139施設の約67%が10時

全国139施設のチェックアウト時間を調査した結果は、次のとおりです。

チェックアウト時間施設数割合
9時30分1施設約0.7%
10時93施設約66.9%
10時30分2施設約1.4%
11時39施設約28.1%
12時4施設約2.9%
合計139施設100%

最も多かったのは10時で、139施設中93施設、約66.9%を占めました。

次いで11時が39施設、約28.1%となっており、10時と11時を合わせると全体の約95%を占めています。

【チェックアウト時間・業態別】旅館は10時、ホテルは10時・11時に分散

旅館60施設の結果は次のとおりです。

チェックアウト時間施設数割合
9時30分1施設約1.7%
10時46施設約76.7%
10時30分2施設約3.3%
11時10施設約16.7%
12時1施設約1.7%
合計60施設100%

旅館では、60施設中46施設、約76.7%が10時チェックアウトでした。

ホテル67施設の結果は次のとおりです。

チェックアウト時間施設数割合
10時39施設約58.2%
11時26施設約38.8%
12時2施設約3.0%
合計67施設100%

ホテルでも10時が最も多いものの、11時も26施設、約38.8%を占めています。

旅館は10時に集中している一方、ホテルは10時と11時に分かれていることが分かりました。

この調査から分かること

旅館では、チェックアウト後の客室清掃や次のお客様の受け入れ準備に加え
施設によっては昼食営業や夕食準備もあります。
そのため、10時チェックアウトが主流になっていると考えられます。

ホテルでは11時チェックアウトも約4割あり、旅館よりも滞在時間を長く設定している施設が多い結果となりました。
また、14時チェックインや12時チェックアウトなど、通常より滞在時間を長く設定する場合は
施設全体の標準時間ではなく、特定の宿泊プランの特典として展開する方法もあります。

チェックイン・チェックアウト時間を活用した宿泊プランの販売方法

ここまでの調査では、
チェックイン・チェックアウト時間には一定の傾向がある一方で、施設形態による違いも見られました。

こうした時間設定は、単にお客様の滞在時間を決めるだけのものではありません。
宿泊プランごとに時間を調整することで、販売価格や付加価値を設計するなど
販売・運営上の工夫にも活用できます。

ここからは、実際の宿泊施設で見られた事例をもとに
チェックイン・チェックアウト時間を活かした運営テクニックをご紹介します。

【運営テクニック事例①】ショートステイやレイトチェックアウトなど宿泊プランごとに時間を調整して販売する

チェックイン・チェックアウト時間は、施設全体で一律に設定するだけではありません。
施設によっては、宿泊プランごとに滞在時間を変えることで、料金や付加価値を調整する販売方法
取り入れています。

例えば、ショートステイプランではチェックインを遅く、チェックアウトを早く設定する代わりに、
通常プランより料金を抑えて販売します。
到着が遅いお客様や宿泊日当日に予約するお客様の需要を取り込めるだけでなく
空室販売や稼働率向上にもつながるため、施設・お客様双方にメリットのある販売方法です。

一方で、料金を上げるのではなく、滞在時間そのものを付加価値として販売する方法もあります。
アーリーチェックインやレイトチェックアウトを特典として付けることで
滞在中の満足度を高め、プランの魅力を向上させる施設も少なくありません。

つまり、チェックイン・チェックアウト時間は単なる運営上の設定ではなく
販売戦略の一つとして活用できる要素でもあります。

その代表的な例をまとめると、次のようになります。

販売方法時間設定の例施設側のメリットお客様のメリット
ショートステイプラン20時IN・翌8時OUT
17時IN・翌9時OUT
18時IN・翌9時OUT
19時IN・翌11時OUT
・空室販売・直前予約の獲得・セール価格を設定しやすい・稼働率向上につながる・通常よりお得な料金で宿泊できる・滞在時間が短い旅行スタイルに合う
アーリーチェックイン特典14時IN・10時OUT・付加価値として販売できる・上位プランや特典として差別化できる・早めに客室へ入室できる・館内でゆっくり過ごせる
レイトチェックアウト特典15時IN・12時OUT・上位プラン・特典として販売できる・客単価アップにつながる・朝の時間をゆっくり過ごせる・出発時間に余裕が生まれる

この事例から分かること

チェックイン・チェックアウト時間は、施設全体の標準時間を変更しなくても
宿泊プランごとに調整することができます。

ショートステイでは滞在時間を短くする代わりに料金を抑え、直前予約や空室販売につなげることができます。
一方、アーリーチェックインやレイトチェックアウトは、滞在価値を高める特典として活用できます。

このように、「時間」は単なる運営上の設定ではなく、
販売価格や付加価値を設計するための一つの要素として活用されていることが分かります。

宿泊プランの販売では、こうした時間や特典の設定に加え、
どの販売チャネルで、どのように販売するかという視点も重要です。
OTAと自社予約の役割を踏まえた販売設計については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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宿泊施設の自社予約強化とは?OTAとの役割の違いと「自社予約を活かす販売設計」の考え方

【運営テクニック事例②】旅館では夕食時間に合わせた最終チェックイン時刻にも注意が必要

旅館の2食付きプランでは、チェックイン開始時間だけでなく、最終チェックイン時刻も重要です。
夕食の開始時間との兼ね合いから、最終チェックインを19時頃までに設定している施設が多く見られます。

到着が遅くなると、料理の提供時間や食事会場の運営、調理・配膳スタッフの勤務にも影響するためです。
一方、朝食付きや素泊まりプランであれば、夕食提供がないため、2食付きプランよりも遅い時間まで受け付けられる場合があります。

この事例から分かること

予約画面では、チェックイン開始時間と最終チェックイン時間を分けて案内する必要があります。

特に2食付きプランでは、「15時からチェックイン可能」という情報だけでなく
「夕食付きの場合は何時までに到着する必要があるのか」を明確に記載することが重要です。

【運営テクニック事例・まとめ】時間設定には施設ごとのオペレーションと販売方針が表れる

今回の関連調査では、旅館・ホテルともに15時チェックイン、10時チェックアウトが最も多い結果となりました。

一方で、ホテルでは14時チェックインや11時チェックアウトの割合が旅館より高く、業態による違いも見られました。

また、ショートステイやレイトチェックアウトなど
通常時間を変えずに、宿泊プランの条件や特典として時間を調整する事例もあります。

手じまいと同様に、チェックイン・チェックアウト時間も、単に他施設と同じ時間に設定するものではありません。

清掃時間、スタッフ配置、食事提供、顧客層、プランの販売目的などを踏まえ、自施設に合った設定になっているかを見直すことが重要です。

まとめ|時間設定は「他施設に合わせる」のではなく、自施設の運営に合わせて考える

今回、宿力では全国139施設を対象に、チェックイン・チェックアウト時間を調査しました。
また、1泊2食付きプランを主力商品とする旅館60施設を対象に
2食付きプランの手じまいについても調査を行いました。

調査の結果、2食付きプランの手じまいでは約半数の施設が宿泊当日まで販売しており
最長では当日18時まで受け付けている施設も確認できました。

一方で、手じまいが早い施設にも、販売方針や運営体制、サービス品質を維持するための明確な理由がありました。
また、チェックイン・チェックアウト時間では、
旅館・ホテルともに「15時チェックイン・10時チェックアウト」が標準となっている一方
ショートステイプランやアーリーチェックイン、レイトチェックアウトなど、
「時間」を販売戦略として活用している施設も見られました。

今回の調査を通して見えてきたのは
「何時に設定するか」よりも、「なぜその時間に設定しているのか」が重要だということです。

手じまい、チェックイン、チェックアウトは、それぞれ独立して決められているものではありません。
食材の調達、人員配置、清掃時間、提供するサービス、販売したいプランなど
施設全体のオペレーションと密接に関わっています。

そのため、競合施設と同じ時間に合わせることが正解とは限りません。

  • 「当日18時まで販売している施設があるから自施設も18時まで販売する」
  • 「14時チェックインを導入すれば集客できる」

と考えるのではなく、その時間設定を実現できる運営体制が整っているかを確認することが大切です。

時間設定を見直す際には、食材の仕入れやスタッフ配置、客室清掃の動線、ターゲットとするお客様など
自施設のオペレーション全体を踏まえて検討することで、無理のない販売戦略につながります。

今回の調査結果が、自施設の時間設定や販売方法を見直す一つの参考になれば幸いです。

written
高間 威行(Takama Takamichi) Takama Takamichi
シニアコンサルタント
仙台・東京のホテルで約20年勤務。1997年「ホテルの窓口」時代より宿泊予約のWeb運用に携わる。宿力では、宿泊予約の「伸ばし方」を設計し、OTA・自社サイトを横断した売上最大化の運用支援を行っている。

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