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人気宿はクチコミ返信をしている?主要サイトを徹底調査!返信率・傾向・おすすめの対応方法も紹介

近年、宿泊施設の集客において重要性が高まっているのが、UGC(User Generated Content)です。
UGCとは、ユーザー自身が発信するコンテンツのことで、旅行者によるクチコミやレビュー、SNS投稿などが該当します。
これらは広告よりも信頼されやすく、宿選びの判断に大きな影響を与える情報として注目されています。

中でも特に影響力が大きいのが、OTA(旅行予約サイト)に掲載されるクチコミです。
じゃらんリサーチセンターの調査によると「宿泊施設のクチコミや評価情報」は
旅行先選びで重視される情報の第3位にランクイン。
このことから、多くの旅行者が宿選びの際にクチコミを確認していることが分かります。

つまり、クチコミは参考情報ではなく選ばれるかどうかを左右する情報です
そして旅行者はクチコミの内容だけでなく「宿がどのように返信しているか」まで見ています。
クチコミ返信は姿勢ひとつで、宿の印象や信頼感は大きく変わる重要な要素として扱わなければなりません。

そこで、本記事では、主要OTAを対象に人気宿のクチコミ返信状況を調査し
現場で実践できるクチコミ返信の活用方法を解説します。

目次

調査結果売れている宿のクチコミ返信率と返信傾向

クチコミ返信の重要性は、多くの宿泊施設が理解しています。
しかし、実際に売れている宿がどの程度クチコミ返信を行っているのかを、客観的に確認する機会は多くありません。
そこで今回、宿力では国内主要OTAに掲載されている人気宿(※1)のユーザーページを対象に
クチコミ返信の実態を調査しました。

(※1)人気宿の基準は以下の受賞歴からピックアップ。
•じゃらんアワード2024 売れた宿大賞 及び 泊まって良かった宿大賞総合 各1位
•楽天トラベルゴールドアワード2024受賞宿
•一休 クチコミランキングBest100 (2025年10月時点)

調査結果①:OTA別のクチコミ返信率

調査の結果、OTAごとにクチコミ返信率の傾向が異なることが分かりました。

 ・じゃらん:約65%
 ・楽天トラベル:約85%
 ・一休.com:約77%

楽天トラベルでは比較的多くの宿泊施設が積極的にクチコミ返信を行っており、返信率が高い傾向が見られました。
一方、じゃらんでは返信を行っている宿と行っていない宿の差が大きく、施設によって対応方針が分かれている様子も見られます。

調査結果⓶:クチコミ返信のタイミング

返信スピードにもサイトごとの傾向が見られました。

 ・楽天トラベル:平均約2日
 ・じゃらん:平均約4.5日
 ・一休.com:返信日時表示がないため集計不可


返信が早い宿では

 ・不満の拡散を防ぎやすい
 ・お客様の印象改善
 ・誠実な施設という印象
 

といった効果が期待できます。

調査結果③:返信を行っている宿の共通点

調査の結果、返信率が高い宿には次の共通点がありました。

 ・ブランド意識が高い
 ・ホスピタリティ重視の運営
 ・情報発信に積極的

特に返信率が高い宿では、クチコミ返信を「宿の魅力を伝える情報発信」として活用している傾向が見られました。

現場の声ネット担当経験者に聞いたクチコミ返信の工夫

宿力では、社内スタッフの中からホテル・旅館のネット担当経験者にヒアリングを行い
現場で実践されているクチコミ返信の工夫を調査しました。
その結果、クチコミ返信は単なる事務作業ではなく
宿の印象を左右する「もう一つの接客」であることが明らかになりました。

クチコミ返信の工夫①:返信は「溜めない」が鉄則

多くの担当者が共通して挙げたのが「とにかく早く返信すること」というルールでした。

クチコミ返信は時間が経つほど対応の難易度が上がります。
特にネガティブなクチコミは、対応が遅れることで「放置されている宿」という印象につながる可能性高く
スピード感のある返信は非常に重要な要素です。

そのため現場では、返信を後回しにしないための運用ルールをあらかじめ設けている施設が多く見られました。

ポイント:返信の運用ルール

 ①可能であれば当日返信
 ②遅くとも72時間以内に対応
 ③毎朝の業務の中でクチコミを確認する

このように、返信のタイミングを業務の中に組み込むことで、「気づいたときにやる作業」ではなく
日常業務として定着させることができます。
クチコミ返信は特別な業務ではなく日々の運用の中で確実に回していく仕組みをつくることが重要です。

クチコミ返信の工夫②:返信担当者を限定する

クチコミ返信は一見シンプルな業務に見えますが、実際には文章力や状況判断、顧客対応力が求められる業務です。
そのため多くの宿では、誰でも対応するのではなく、返信担当者を限定する運用を取り入れています。

例えば、クレーム対応は支配人や責任者が行い、ポジティブなクチコミはネット担当者が対応するなど
役割を分けることで返信の質を担保しています。
特にクレームへの返信は、責任者名で対応することで誠実さや本気度が伝わりやすく
閲覧している第三者にも「しっかり対応する宿」という印象を与えることができます。

また、担当者を固定することで文章のトーンが統一され、宿としてのブランドイメージも整いやすくなります。
クチコミ返信は単なるやり取りではなく、宿の印象をつくるコミュニケーションの一部であるため、この統一感は非常に重要です。

ポイント:クチコミ返信担当者の運用ルール

 ①クレームと通常クチコミで担当を分ける
 返信テンプレートや表現ルールを共有する
 ③良い返信事例を蓄積し、チーム内で活用する

こうした体制を整えることで、属人化を防ぎながら安定した品質を維持することができます。
クチコミ返信は個人のスキルに依存させるのではなく
誰が対応しても一定の品質を担保できる、運用設計として仕組み化することが重要です。

実践今から現場で使えるクチコミ返信テンプレート

クチコミ返信は、宿の印象を大きく左右する重要なコミュニケーションの一つです。
しかし、すべての返信を毎回ゼロから考えていては、担当者の負担が大きく
返信のスピードや品質にもばらつきが生まれてしまいます。

実際の現場では、基本となる返信テンプレートを用意し
クチコミ内容に応じて調整する運用を行っている施設が多く見られました。
テンプレートを活用することで、「スピード」と「品質」を両立しながら安定した対応が可能になります。

重要なのは、テンプレートをそのまま使うのではなく、 クチコミの内容に合わせて一言を加えることです。
これにより、効率的でありながらも個別感のある返信を実現することができます。

本頁では、現場で実際に使われている工夫をもとに
宿泊施設ですぐに活用できるクチコミ返信テンプレートを紹介します。

テンプレートパターン①:基本の返信

まずはすべてのクチコミに対応する際のベースとなる、最も汎用性の高い基本の返信テンプレートです。

テンプレートパターン②:高評価への返信

高評価のクチコミには、感謝の気持ちをしっかり伝えることが重要です。

テンプレートパターン③:低評価への返信

 軽微なご指摘やご意見に対して、誠実さと改善姿勢を伝えるための返信テンプレートです。

注意点|クチコミ返信でやってはいけないNG例

クチコミ返信は、書き方ひとつで宿の印象を大きく左右します。
現場担当者へのヒアリングでも「やらないように意識し、避けている表現」がいくつか共通して挙げられました。
ここでは、実際の現場の声をもとに、クチコミ返信で避けるべきNG例を紹介します。

NG例①:否定・言い訳に聞こえる返信

多くの担当者が注意していたのが、お客様の指摘をそのまま否定してしまう書き方です。
「当館ではそのような対応はしておりません」といった表現は、事実であっても
「受け入れてもらえなかった」という印象につながる可能性があります。

現場では、まず謝罪や共感を伝えたうえで、その後に補足を加えるという順序が徹底されていました。
クチコミ返信では、正しさよりも感情への配慮が優先されることが重要です。

NG例②:機械的・具体性に欠ける返信

テンプレートをそのまま使っただけの返信や、改善内容が曖昧な返信も注意が必要です。
「ご利用ありがとうございました。またのお越しをお待ちしております。」といった定型文のみでは、
投稿内容に触れていないため「しっかり読んでいない」と感じられてしまいます。

また「今後改善してまいります」といった表現だけでは、何をどう改善するのかが伝わりません。
クチコミの内容に一言でも触れること、そして改善の方向性を簡潔に示すことが重要とされています。

NG例③:温度感・対応姿勢が伝わらない返信

見落とされがちですが、クチコミとの温度感のズレも印象に大きく影響します。
長文のクチコミに対して短文で返したり、強い不満に対して軽いトーンで返したりすると、
十分に向き合っていない印象を与えてしまいます。
謝罪だけで終わる返信も「その後どうするのか」が伝わらず、不安や不満が残ります。

・謝罪
・原因や背景の説明
・今後の対応や再発防止
 

までをセットで伝えることが重要とされています。

クチコミ返信は文章でありながら、接客そのものであるという認識が重要です。

NG例の傾向|印象を下げる返信の特徴

これらのNG例に共通しているのは、お客様視点が不足し、一方通行のコミュニケーションになっている点です。
特に重要なのは以下の2点です。


①お客様の感情に寄り添えているか
②第三者が見たときに好印象かどうか

クチコミ返信は投稿者だけでなく、これから宿を検討する旅行者にも読まれています。
そのため「どう書くか」だけでなく、「どう伝わるか」を意識することが重要です。

運用テクニック|クチコミ返信テンプレートを活かすコツ

テンプレートは、クチコミ返信のスピードと品質を安定させるうえで非常に有効な手段です。
一方で、定型文のまま使ってしまうと機械的な印象になり、かえって宿の印象を下げてしまう可能性もあります。
現場担当者へのヒアリングでも「テンプレートは使うが、そのままは使わない」という運用が共通していました。

ここでは、実際の現場で意識されているテンプレート運用のコツを紹介します。

運用ポイント①:投稿内容に必ず触れる|“読んでいる感”を出す

最も多くの担当者が意識していたのが、クチコミの内容に必ず一言触れることです。
例えば、接客・客室・温泉・料理など、
投稿内で言及されているポイントに軽く触れるだけでも、返信の印象は大きく変わります。
逆に、内容に一切触れない返信は「しっかり読んでいない」と受け取られてしまう可能性があります。

そのため現場では、テンプレートをベースにしながらも「必ず個別の一文を加えること」が徹底されていました。
このひと手間が、返信の温度感を大きく左右するポイントになります。

運用ポイント:投稿者の名前を入れる|丁寧さと距離感を縮める

次に挙げられたのが投稿者の名前(ハンドルネーム)を入れることです。
「○○様」と一言添えるだけで、形式的な文章から“個人に向けたメッセージ”へと印象が変わります。

現場でも、この一工夫によって

 ・丁寧な宿という印象を与えやすい
 ・コミュニケーションの距離が縮まる

といった効果が実感されていました。
小さな要素ではありますが、返信の質を底上げする重要なポイントです。

運用ポイント③:未来のお客様も意識する|情報発信として活用する

クチコミ返信は、投稿者への返答であると同時に、
これから宿泊を検討する旅行者にも読まれています。

そのため現場では、単なるお礼や謝罪にとどめず、
宿の魅力を補足する“情報発信の場”として活用する意識が持たれていました。

例えばですが

 ・サービスの特徴
 ・こだわっているポイント
 ・季節ごとの楽しみ方

などを自然に織り交ぜることで返信自体が次の予約につながる導線になります。
クチコミ返信は守りの対応ではなく、
集客につながるコミュニケーションとして設計することが重要です。

運用分析|成果につながるクチコミ返信の共通点

これらのコツに共通しているのは、
テンプレートをそのまま使うのではなく「人の言葉として伝える工夫を加えている点」です。

特に現場では、次の2点が重要視されていました。

 ①個別感があるかどうか
②第三者が見ても魅力が伝わるかどうか

テンプレートはあくまで土台であり、そこに一言の工夫を加えることで、初めて「接客としての返信」になります。
クチコミ返信は文章でありながら、宿の印象を左右する重要なコミュニケーションであることを意識することが大切です。

まとめ|クチコミ返信は「もう一つの接客」

本記事では、主要OTAに掲載されている人気宿を対象にクチコミ返信の状況を調査しました。
その結果、売れている宿の多くがクチコミ返信を単なる事務作業ではなく
お客様とのコミュニケーションとして活用していることが分かりました。

返信率が高い宿では

・返信ルールを決めている
・テンプレートを整備している
・できるだけ早く返信している

といった運用が行われています。

旅行者がクチコミを重視する時代においてクチコミ返信は
宿の魅力を伝える「もう一つの接客」とも言える重要な取り組みです。
さらにクチコミ返信は、投稿者への返答であると同時に、これから宿を検討する旅行者への情報発信でもあります。

日々寄せられるクチコミに丁寧に向き合うことが
宿の印象を高め、結果として予約につながる信頼の積み重ねになっていくのではないでしょうか。

written
高間 威行(Takama Takamichi) Takama Takamichi
シニアコンサルタント
仙台・東京のホテルで約20年勤務。1997年「ホテルの窓口」時代より宿泊予約のWeb運用に携わる。宿力では、宿泊予約の「伸ばし方」を設計し、OTA・自社サイトを横断した売上最大化の運用支援を行っている。

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