
現場コンサルが調べてみた!OTA手数料のリアル
宿泊施設の集客に欠かせないOTA(オンライン旅行代理店)。
でも「手数料って結局いくらかかってるの?」という疑問、現場では意外と曖昧なままになっていることも。
宿力では、主要OTAの手数料体系を調査し、「基本手数料+追加コスト」の全体像を整理しました。
この記事では、宿泊業専門コンサルタントの視点から、手数料の“見えづらい部分”まで明らかにします。
OTA別・手数料一覧(2025年時点)
| OTA名 | 基本手数料 | 事前決済割増 | その他の主なコスト |
|---|---|---|---|
| 楽天トラベル | 1名利用時:7% 2名以上利用時:8.25% | +2% | 2名以上利用時ポイント負担+1% アフィリエイト+1.3% インバウンド予約10% ※人数にかかわらず一律 ポイント付与なし ボーナスプログラム:基本手数料+3% ※掲載順位表示効果についてのオプション |
| じゃらんnet | 1名利用時:6% 2名以上利用時:8% グローバル集客サービス(インバウンド):12% | +2% | 2名以上利用時ポイント負担+2% |
| 一休.com | 10% | +3.5% | サイトコントローラー接続費用:月額5,250円もしくは手数料+0.5% |
| Yahoo! トラベル | 10% | +3.5% | 航空券付きパッケージ:13.5% |
| るるぶトラベル | 1名利用:8% 2名利用:10% | +2% | インバウンド予約:11~14% |
| Relux | 12% | +2% | サイトコントローラー接続費用:月額5,250円 |
| Booking.com | 12% | +2.3%(契約次第) | プリファード+3%、プリファードプラス+5% |
| agoda | 12% | – | AI露出強化+10〜15% |
| Expedia | 12〜15% | +6% | 検索順位向上ツール+1〜25% |
手数料は日々変わり続けていますが、各社とも上がることはあっても下がることはありません。
今後についても10%以上の推移になる見込みですが、数年後は15%の規模になると考えてもよいでしょう。
インバウンド関連の手数料が高い理由

「知らないサイトから予約が入ってきた…」その理由、知っていますか?
フロント業務を経験された方なら、一度はこんな場面に遭遇したことがあるはずです。
「通知はBooking.comなのに、バウチャーは聞いたことのない旅行会社名」。
実はこれ、OTAの“提携在庫”による送客が原因です。
多数の在庫共有・提携構造
海外OTAは、複数の旅行会社や販売サイトと提携し、在庫を共有・再販しています。
その結果、提携先ごとに“手数料”や“販売マージン”が上乗せされ、最終的な手数料が高くなるのです。
例:Booking.com → 提携先A → 提携先B → 宿泊者
この流れの中で、それぞれに「提携料」が発生し、宿側の負担が増加。
しかもこの仕組み、契約時の利用規約に記載されているものの、ほとんどの宿泊施設が詳細まで把握していない。
オーバーブッキングの責任は宿側に
提携在庫は、リアルタイムでの在庫反映が遅れることがあり、満室でも予約が入るケースがあります。
この場合、宿側が代替宿泊先の手配や費用負担を求められることも。
利用規約には「宿側が責任を持つ」と明記されていることが多く、注意が必要です。
キャンセル率の高さ
提携サイト経由の予約は、キャンセル率が非常に高い傾向があります。
理由は以下の通り:
- メジャーOTAで予約できなかったため、提携サイトで仮押さえ
- 提携サイトが独自の割引を実施しており、価格が安かった
- イベント日などに「とりあえず予約」されるケースが多い
提携サイトによる“勝手な割引”にも注意
提携サイトは、OTAから得た手数料を原資にして独自のセールを実施することがあります。
この割引は宿側の負担にはなりませんが、価格コントロールが効かないため、
「こんな価格で売ってないのに…」という事態が発生します。
最近では、海外OTAだけでなく、楽天トラベルや一休でも同様の現象が確認されています。
現役コンサルタントからのアドバイス
- イベント日や繁忙期は在庫に余裕を持たせて販売
→ 提携サイト経由の予約流入を考慮し、オーバーブッキングを防ぐ
→限定的なイベントプランを作成してカード決済のみにするのも手です - キャンセル率の高いサイトは販売制限も検討
→ 特定のOTAや提携先の動向を分析し、販売戦略を調整 - 価格モニタリングを定期的に実施
→ 提携サイトによる割引が発生していないかをチェック
インバウンドOTAの手数料は、単なる「高い・安い」ではなく、複雑な提携構造と販売ルートの影響を受けています。
宿力では、こうした“見えづらい仕組み”を調査・分析し、宿泊施設の利益を守るための情報発信を続けていきます。